アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。多くの患者様は、アトピー素因(体質)を持っています。アトピー素因とは、過去に気管支喘息やアレルギー性鼻炎・結膜炎、またはアトピー性皮膚炎にかかったことがあるか、家族にこれらの病気を持つ人がいることを指します。
アトピー性皮膚炎の主な原因は、食べ物ではなく、皮膚が乾燥して荒れることでアレルギーの原因物質が侵入しやすくなることです。そのため、かゆみに対してステロイド軟膏を使用するだけでなく、毎日のスキンケアが非常に重要です。適切なケアにより、アレルギーの原因物質の侵入を防ぎ、皮膚の症状を改善することができます。
蕁麻疹は、急に円形や楕円形、または地図状に赤く膨らんだ膨疹(蚊に刺されたような腫れ)が現れる皮膚病です。皮膚科の診療でも比較的よく見られる疾患ですが、その約7割は原因が特定できないとされています。何らかの刺激により、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されることで症状が出現すると考えられています。
蕁麻疹は、症状が約1カ月以内に治まるものを急性蕁麻疹、それ以上続くものを慢性蕁麻疹と呼びます。激しいかゆみを伴うことが多く、治療には抗ヒスタミン薬の内服が一般的です。
体が温まると症状が悪化しやすいため、発症中は入浴や飲酒を避けることが重要です。かゆみを軽減するためには、氷などを袋に入れて患部を冷やすと効果的です。クーリングによって、かゆみを和らげることができます。
乾癬は、青年から中年にかけてよく見られる皮膚病で、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)が異常に早くなることが特徴です。症状としては、赤みを伴う分厚い銀白色の鱗屑(フケのようなカサカサ)が見られます。また、正常な皮膚をこすったり刺激したりすると、同じ病変が現れるケブネル現象もよく知られています。
乾癬には、尋常性乾癬、滴状乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、関節症性乾癬の5つのタイプがあります。
近年、乾癬に対する研究が進み、以前は治りにくかった病変もかなり改善できるようになっています。乾癬でお悩みの方は、早めに皮膚科専門医を受診することをおすすめします。