水虫の正式名称は「白癬」で、足に発生するものを「足白癬」と呼びます。日本では、推計で約2,500万人が足白癬にかかっていると言われています。感染の多くは、公衆浴場やスポーツジムのフロアマットなどを通じて起こります。
足白癬は、次の3つのタイプに分類されます。
趾間型
最も一般的なタイプで、足の薬指と小指の間に発生しやすいです。皮膚が剥けた部分から細菌感染を起こすことがあり、重症になると蜂窩織炎などの感染症を引き起こすことがあります。
小水疱型
土踏まずや足の縁、足の指の根元に小さな水疱が多発するタイプです。特に梅雨時に悪化しやすく、秋になると自然に軽快することが多いです。
角質増殖型
足の裏やかかとに発生し、角質が増えて皮膚が硬くガサガサした状態になります。このタイプはかゆみがほとんどなく、亀裂ができると痛みを伴います。
診断は、皮膚の一部を削って顕微鏡で検査し、白癬菌が確認されれば、抗真菌薬による治療を行います。塗り薬が一般的ですが、治りにくい場合は飲み薬が使用することもあります。
いぼは、ウイルス感染によって皮膚にできる小さな隆起物です。最も多く見られるのは尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)と呼ばれるもので、手足などに多く発生し、表面が硬くザラザラしています。ウイルスは傷ついた皮膚から侵入し、いぼができることがあります。特に子どもや免疫力が低下している人に多く見られます。
いぼは通常、痛みやかゆみを伴わないことが多いですが、足裏にできる足底疣贅(そくていゆうぜい)は歩行時に痛みを感じることがあります。いぼは自然に治ることもありますが、増えたり広がったりすることがあるため、早めの治療が推奨されます。
治療には、液体窒素を使った凍結療法や、塗り薬、レーザー治療などがあり、症状や場所に応じて最適な治療法を選びます。
水痘はいわゆる「みずぼうそう」のことで、水痘帯状疱疹ウイルスによる感染症です。主に子どもに見られ、発熱や倦怠感とともに、皮膚に赤い発疹が現れ、水ぶくれに変わり、最終的にかさぶたになります。感染は主に飛沫や水疱の液体、または感染者の皮膚や唾液から広がります。潜伏期間は約2週間です。
治療は対症療法が中心で、重症の場合には抗ウイルス薬が使用されます。かゆみには冷やしたり、抗ヒスタミン剤を使うことが推奨されます。予防には水痘ワクチンが有効で、感染を防ぎ、軽症で済むことが多くなります。
とびひ(伝染性膿痂疹)は、細菌感染によって皮膚に黄色い膿を含んだブツブツや潰瘍ができる感染症で、主に黄色ブドウ球菌や溶連菌によって引き起こされます。特に子どもに多く見られ、初めは赤い斑点や小さな水疱が現れ、これが破れて膿を含むブツブツとなり、最終的にかさぶたになります。感染が広がると皮膚の広い範囲に症状が現れることもあります。
治療には抗生物質の塗り薬や内服薬が使用され、感染部位を清潔に保つために抗菌剤入りの石鹸で優しく洗浄します。また、傷口を触らず、タオルや衣服の共用を避けることで感染の広がりを防ぐことが重要です。